2008年02月29日
ライオンの歯
というわけで皆様お分かりだと思いますが タンポポ Taraxacum sp. (タラクサクム)です。
すみません、お蔵だし品です。(以前撮影した写真)
でも、構内でもちらほらと咲いてるのを確認しています。
先日、花茎の長さが異常に短い(1㎝ もない!!)個体があってびっくりしました。
風がよくあたる開けた場所だからでしょうか。
植物の柔軟性には驚嘆するばかりです。
属名の後についている sp. というのは species の略で、属は判るけど種はわからない
ということです。
外来のタンポポと在来のものを見分けるポイントは、総苞片が反り返っているか
反り返っていないかで見分けていましたが、種間で交雑が起こっているらしく一概には
こうと言えなくなって来ているらしいです。上の写真では反り返っているのが見て取れる
ので一般的な外来のタンポポのセイヨウタンポポ Taraxacum officinale (タラクサクム オッフィキナレ)でしょうか?
先日、書店でフィールドブックのページを繰っていたらタンポポの項に Taraxacum spp.
(属は判るが種はわからないものが複数ある) と書いてあるのに驚いたが、まぁ現時点では
妥当なのかもしれません。
しかし、このようにして在来のタンポポと外来のタンポポが交雑して、純正の在来のタンポポが
消えていくのは何だか空恐ろしいような感じがします。
いつも通り咲いているタンポポをよく観察してみたら今までとちょっと違っている、よく調べてみたら
どうやら別のタンポポらしい、では今までよく見ていたタンポポはどこへ行ってしまったの?
調べてみると非常に生育地が限られてしまっていた、なんてことになったら恐ろしいです。
種の定義が混沌としているから目を背けるのではなく、だからこそ今どのような種がいたの
かを見なければならないのではないかと思います。
実際には難しいと思いますが、少しでもいいから一歩を踏み出して欲しいと思います。
そうすると、見えなかったものが見えてきます。
このブログがそんな一歩を踏み出すきっかけになったら望外の幸せです。
間違いがないよう気をつけてはいますが、間違いがあった場合は是非、教えていただきたいです。
そうやって互いに勉強できていったらとても素晴らしいと思います。
それでは今日はこの辺で失礼します。
ではでは~、
Posted by 植物班 at 23:53│Comments(2)
│日々の草花~Daily Plants~
この記事へのコメント
タンポポ豆知識~!
俺だって生物やってる人間だって思い知らせてやる!
タンポポは基本的に自家受精(じかじゅせい)によって子供を作ります。
自家受精とは、簡単に言えば繁殖するのに他の個体を必要とせず、1個体内(一つの花の中)で受粉を行なうことです。
これにより非常に高い確率で、単体でも子供を作ることができるので、新天地などでも容易に増えることができます。
デメリットとしては1個体内で受粉するため、どの子供も全く同じ遺伝子を持ちます。
詳しい話は省きますが、全く同じ遺伝子しか持っていないということは、何かしらの環境の変動が起きたときに不利だということです。
ここで気づいた方がいるかもしれません。
あれ?在来のタンポポと混ざってるんじゃないの?
そうです。やつらは上記のデメリットを解消するため、たま~に他の個体と交わります。
これにより、高い繁殖力を持ちながらある程度の遺伝子の多様性をもつことができます。
中々に賢い繁殖戦略ではありますが、こうやって在来のものと混じってしまうのは複雑な気持ちですね。結局は人間が原因なわけですが。
コメントなのでこの辺で。
駆け足できましたので足りない部分もございますが、いつか機会があればもう少し詳しいお話を。
俺だって生物やってる人間だって思い知らせてやる!
タンポポは基本的に自家受精(じかじゅせい)によって子供を作ります。
自家受精とは、簡単に言えば繁殖するのに他の個体を必要とせず、1個体内(一つの花の中)で受粉を行なうことです。
これにより非常に高い確率で、単体でも子供を作ることができるので、新天地などでも容易に増えることができます。
デメリットとしては1個体内で受粉するため、どの子供も全く同じ遺伝子を持ちます。
詳しい話は省きますが、全く同じ遺伝子しか持っていないということは、何かしらの環境の変動が起きたときに不利だということです。
ここで気づいた方がいるかもしれません。
あれ?在来のタンポポと混ざってるんじゃないの?
そうです。やつらは上記のデメリットを解消するため、たま~に他の個体と交わります。
これにより、高い繁殖力を持ちながらある程度の遺伝子の多様性をもつことができます。
中々に賢い繁殖戦略ではありますが、こうやって在来のものと混じってしまうのは複雑な気持ちですね。結局は人間が原因なわけですが。
コメントなのでこの辺で。
駆け足できましたので足りない部分もございますが、いつか機会があればもう少し詳しいお話を。
Posted by 蜜柑☆ at 2008年03月01日 09:07
「分類学は地味だけど何とかかんとか・・・」
って、私の研究室の先生が申しておりました。
・・・何とかかんとかの部分でイイこと言ってるんですけどね~。
はてさて・・・分類の意義とは?
リンネの遺産との出逢い・・・戦い・・・
その輪廻から抜け出し・・・
追求、探求の先に見えるは・・・「holotype」という名の絶望なのか(笑)?!
・・・即興でネタを作ってしまいましたが・・・
怒られそう・・・
もっとウマイ言い回しが思いつけば・・・
って、私の研究室の先生が申しておりました。
・・・何とかかんとかの部分でイイこと言ってるんですけどね~。
はてさて・・・分類の意義とは?
リンネの遺産との出逢い・・・戦い・・・
その輪廻から抜け出し・・・
追求、探求の先に見えるは・・・「holotype」という名の絶望なのか(笑)?!
・・・即興でネタを作ってしまいましたが・・・
怒られそう・・・
もっとウマイ言い回しが思いつけば・・・
Posted by 4cd at 2008年03月01日 23:46