2010年04月05日
クチナシ
クチナシ Gardenia jasminoides Ellis (アカネ科 Rubiaceae)
仄暗い木々の間を歩いていると浮かぶような白い影。
そんな印象の非常に芳香が良い花です。
クチナシとは“口無し”で、実が熟しても裂けないことに由来しているそうです。
沖縄では、カジマヤー(風車)と言う処もあります。
たしかに、“かざぐるま” に似ていますね。
クチナシの葉はこんな感じに向かいあってついています。
屋比久(2004)によると、葉は頭痛や不眠症、熟した実は黄色の染料に使用されるそうです。(^^)
属名の Gardenia は、アメリカの博物学者A. Garden(1730 - 1792)に因んでいるそうです。
種小名の jasminoides は、オウバイ属(Jasminum)に似た という意味だそうです。
ところで、
クチナシというと、夢枕 獏さんの「梔子の女」を思い出します。
口が無い女の望みとは一体なんなのか?
最後のオチは陰陽師シリーズにはめずらしく少し笑えます。
立派な花にも関わらず、何となく質素な、それでいて雨が似合うような素敵な花です。
《参考文献》
・牧野富太郎, 1963. 牧野新日本植物図鑑学名解説. 北隆館.
・屋比久壮実, 2004. おきなわフィールドブック1沖縄の野山を楽しむ植物の本. アクアコーラル企画. 沖縄.
《Special Thanks》
・夢枕獏 「陰陽師」
Posted by 植物班 at 21:59│Comments(0)
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