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2009年01月29日

PAR a si tE 〜 MAD編〜

前回までのあらすじ
栗鼠栗がダムで魚採ってた。


採集時間1時間半
それで十分な収穫を得た我々は
大学へ戻ることに…

はたして…
採集された魚に
どんな寄生虫がついているのか?

寄生虫後編にまいりま〜す♪どなどな
PAR a si tE 〜 MAD編〜

N先生とUさんのご好意により
寄生虫採取の模様を見学しても良いと言われた栗鼠栗…

とりあえず、
一旦荷物を置きに家に戻ることに したのだが…

しかし、
これがいけなかった

遅れて作業の見学に来た栗鼠栗(愚か者)に浴びせられたのは…

PAR a si tE 〜 MAD編〜からコペポーダが採れたよ!!」


見たかった…

N先生「いや〜採れるとは思いませんでしたね〜。」
Uさん「見つけた瞬間、先生ガッツポーズしてたよ」

ガッツポーズも見たかったが…
肝心の寄生虫であるコペポーダは…
う〜ん…既にエタノールに浸かっていて…よくわからん

Uさん「とりあえず出てきたら見せるよ!!」

というわけで、
N先生とUさんは黙々と寄生虫探しに入られました。

顕微鏡台数が2台しかないため
ただ、ぼーっとする栗鼠栗…

その間に…
寄生虫を探すにあたって
観察する魚の部位について説明をば…


PAR a si tE 〜 MAD編〜

え〜と…魚です。はい…
上の画像で分か…っていただけると幸いですが…

魚の外部寄生虫
様々なところについているそうですが…
今回は
(ひれ)

顕微鏡で見ないと見えない小〜さな寄生虫は
についているんだそうです。

特に、赤丸で囲んだ部分
背鰭の鰭底(根元?)の後ろの部分によくついているんだそうです。


Uさん「このモザンビークティラピアには (寄生虫は) ついてなかったな〜」


鰭に寄生性のコペポーダがついていれば
Uさんの華麗な針さばきにより
哀れコペちゃん、エタノールにポチャン…


鰭だけではありません。
次に観察する部位は…
鰓及び鰓蓋の裏側


鰓には様々な寄生虫がついていますが…
特に、ギロダクチルス
…とかいう扁形動物門単生類に属する寄生虫がとれるそうです。

Uさん「う〜ん…いないなぁ〜。」


とりあえず、今回は
鰭と鰓

をチェックすることになっているようです。

……

しばらくすると…

Uさん「いたいた!!見つけた見つけた!!」

栗鼠栗「どれですか?」
Uさん「背鰭の後ろについてるやつ。ピクピクしているのわかる?」
栗鼠栗「うおっ…小さいっすね…(予想以上の小ささに驚く)」
N先生「あ〜いるねぇ〜↑↑。U君!!君は素晴らしい!!いいねぇ〜いいねぇ〜。」
栗鼠栗「ところでこれはなんてやつですか?」
N先生「エルガシルスだね〜」
Uさん「広島のやつと比べて小さいですよね。」
栗鼠栗「?え〜と…PAR a si tE 〜 MAD編〜グラスフィッシュについていた寄生虫と同種ですか?」
Uさん「たぶん…同じじゃないかな〜。ジャポニカスですよね。」
N先生「そうだろうね〜。」

N先生「ところで…どういう魚にいたんだい?」
Uさん「PAR a si tE 〜 MAD編〜ジルティラピア Tilapia zilliiですね。」

N先生おもむろにノートにメモされる。

……

Uさん「栗鼠栗君も探してみる?」
栗鼠栗「いいんですか?」
Uさん「先生は記録する方にまわるみたいだし。」
栗鼠栗「では、出来る限り見つけてみます!!」

Uさん「じゃあ、ジルティラピアやってみて、大きさも手頃だし…」

後々…
このUさんのチョイスが
栗鼠栗のテンションを左右するとはこのときは考えてもいませんでした。

というわけで…

私も寄生虫探索に交わらせていただくことに!!


この後

Uさんは
PAR a si tE 〜 MAD編〜コンビクトシクリッドカダヤシ

栗鼠栗は
PAR a si tE 〜 MAD編〜ジルティラピアモザンビークティラピア

それぞれ担当する魚を決めて進めていきました。


今更ですが…
寄生虫探索するときに
魚が生きてもらっては探索に支障を来すわけです。

そう
生きている魚には死んでもらわないといけない

魚に死んでもらうためには
まず大きめの解剖ばさみを用意しまして…



それを…


PAR a si tE 〜 MAD編〜
魚の後頭部あたりに狙いを定めて…


バチン!!





…という感じで
脊椎あたりを切断するんですが…

意外と死なない

私、結構生き物殺すことにためらいは無かったんですが…
後頭部に解剖ばさみ差し込んだときに

「あぐ…あ…あぐぁぁ…」

って感じで魚があえいだ感じになって、上目になるのが…
ツライ…

何とも言えん感じです。

…………

さて、PAR a si tE 〜 MAD編〜ジルティラピア君には寄生虫はついているのかな?



……
いたいたいたいたいたいたぁぁぁぁ!!


やはりPAR a si tE 〜 MAD編〜背鰭の後ろにコペポーダちゃんがついてました!!

栗鼠栗「コペポーダ見つかりました。」
Uさん「また、ジル?とりあえず,採取は俺やるよ。」
栗鼠栗「お願いしま〜す。」


んでコペちゃんの写真とかは…
撮影できていないんですが…

う〜ん…こんな感じですかね?
PAR a si tE 〜 MAD編〜
コペポーダ?

結構可愛いはずなんですけどねぇ〜
絵がヒドいですね〜(泣)
広い心で受け止めてくださいm(_ _)m

次、鰓を見てみるが…

見つからん…気がする…

以降、ジルティラピアを観察していき…
寄生虫がいれば…

栗鼠栗「あ…いました。背鰭に2匹ですかね?」
Uさん「ジルは5匹目?今んところ全部ついてるね〜」

Uさんに報告して採取してもらい、N先生がメモをするということを繰り返し…



結果はっぴょ〜う♪

PAR a si tE 〜 MAD編〜

ジルティラピア10匹中10匹寄生虫確認!!
寄生率100%?!


PAR a si tE 〜 MAD編〜も2匹とも寄生虫が確認されたのですが…
それを除けば…

寄生率100%はジルティアピア

他の種に関しては
モザンビークティラピア寄生虫付着1匹⇒鰓にコペポーダ
ナイルティラピア寄生虫付着0匹
カダヤシ寄生虫付着9匹中2匹⇒鰭にコペポーダ
コンビクトシクリッド寄生虫付着0匹
プレコ寄生虫付着1匹⇒鰓にコペポーダ

…って自分のやったやつ意外うろ覚えなので、だいだいですが…

見つけた寄生虫のほとんどが
コペポーダでした。


そして…
今回、採集されたコペポーダは
全て同種だそうです?!

その名も…

PAR a si tE 〜 MAD編〜
ヤマトニセエラジラミ
Neoergasilus japonicus


とりあえず、沖縄島から初報告だそうです。

(誰もやらんから…)

以下、N先生がおっしゃってたことを
テキトーに…

ヤマトニセエラジラミ
Neoergasilus japonicus (Harada, 1930)


原記載の産地は、台湾

記載された当時、台湾が日本領土だったため

"japonicus (日本産の)"という名がついたそうです。

淡水性で、特定の魚種に寄生する (宿主特異性) ことがほとんど無い種。

そのおかげ (?) なのか…

原産地は東アジア一帯なのだそうですが…

現在では、ほぼ世界中の淡水域に棲息しているのだそうです。

とりあえず、日本では本種は在来種ということだそうで…

ヨーロッパや北米のほうでは外来種扱いだそうです (?) 。

もちろん広島でも見られ、

広島ではブルーギル (?!) に寄生しているのだそうです。

今回の採集で

沖縄島の某湖ではジルティラピアによくついている結果となってます。

寄生虫は在来種(でよいのか?)なのに

宿主である魚が外来種というのは興味深いですね。



…というのが
コペポーダのプロフィールですかね〜

しかし、
ジルティラピアにはいっぱい寄生しているのに
似たような種のナイルティラピアモザンビークティラピアに寄生しておらず
似たような大きさと形のコンビクトシクリッドも寄生していないとは…
不思議すぎる…
適応力のあるグルメ家なのかな?


今回採れた魚の中に
単生類は見当たらず、
鰓の中には貧毛類(ミミズの仲間)がいたそうです…
これはN先生の専門でないそうなので、
はっきりと分からないんだそうです。





う〜ん…充実した一日だったが…
めちゃめちゃ大長編になって申し訳ないです。

8割方どーでもいい描写ってのもアホらしいかと思いますが…
いやはや…
言いたいことを簡潔に言えない性分なんでご了承をば
ふぅ

どっぴゅうう〜



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この記事へのコメント
いや~、充実した日を過ごしていらっしゃるようで何よりです。

寄生虫学(Parasitology)でいいのかな?
自分の知らない世界なので読んでいてとても楽しかったです。

支援!!

ところでコペポーダのような生物のホロタイプ標本って、
どんな保存の仕方をしているの?

液浸?プレパラート?
Posted by Han-Zo at 2009年02月04日 09:42
遅くなり、申し訳ないです。

コペポーダは液浸だそうです。

ちなみに…
扁形動物に属する単生類はプレパートだとか…

N先生がおっしゃっているので間違いないかと思います。
Posted by 4cd at 2009年02月09日 17:16
ありがとうございます!!
勉強になります。

しかし、液浸での保存は大変そうですよね。
定期的な補充とか、スペースの問題とか・・・。
貴重な標本になると2重液浸にしているものもあるらしいですし。
管理するのも一苦労ですね。
Posted by Han-Zo at 2009年02月10日 21:21
 
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